【修繕積立金の算出について】

マンションに住んでいる方々で、修繕積立金の算出方法が変わったことをご存知ですか?

今回はそんな算出方法をご説明します。

この計算式は国土交通省の修繕積立金のガイドラインに記載があります。

計画期間全体における修繕積立金の平均額(円/㎡・月)
Z=(A+B+C)÷X÷Y

各アルファベットはこちらになります。
Z:計画期間全体における修繕積立金の平均額
A:計画期間当初における修繕積立金の残額
B:計画期間全体で集める 修繕積立金の総額
C: 計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額
X:マンションの総専有床面積
Y:長期修繕計画の計画期間

具体例 築25年の50戸のマンションですべて専有面積が同じマンションの場合
1戸の専有面積 70㎡
建築延床面積 4200㎡
長期修繕計画の期間 30年
修繕積立金 月額10,000円
修繕積立金は均等積立方式
計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額 なし
機械式駐車場なし
修繕積立基金が2000万円(1戸当たり40万円)
10階建て

上記の条件で、①と②で算出してみると

①例題のマンションが長期修繕計画を見直していない場合でかつ長期修繕計画に基づいて10年目で大規模修繕工事を5800万円で実施した場合 

Aは修繕積立基金が2000万円あるのでこの金額になります。Bは600万円/年×30年-5800万円で1億2200万円になります。
これを式に当てはめると、

(2000万円+1億2200万円+0円)÷3500㎡÷360=約113円/㎡・月)

②築10年目で大規模修繕工事を5800万円で実施し、長期修繕計画を見直し修繕積立金を11,000円/月に変更した場合

Aは修繕積立基金の2000万円と10年間の修繕積立金6000万円の合計から大規模修繕工事の5800万円を引いた2200万円。Bは660万円/年×30年の1億9800万円になります。
これを式に当てはめると、

(2200万円+1億9800万円+0円)÷3500㎡÷360=約175円 円/㎡・月)

ガイドラインでは、 建築延床面積が5000㎡未満で20階未満の場合は、235円~430円/㎡・月となっていますので、①,②ともに平均値未満となります。

注意する点としては、ガイドラインの目安に届いていないからといって、そのことがダメではなく、修繕積立金の変更時の参考として活用することです。

最後に、修繕積立金の算出方法が変更になって感じたことは、A: 計画期間当初における修繕積立金の残額 が重要なポイントになるので、この金額は長期修繕計画書をはじめマンションの管理運営に関心がないと拾ってこれないので、無関心ではいけないことを強く感じています。


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