分譲マンションの理事会は、執行機関にあたり、総会で承認されたことを実行したり、総会で諮る議案の作成を行ったりします。
具体的には以下の通りとなり、標準管理規約の規定になります。
- 一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
- 二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
- 三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
- 四 その他の総会提出議案
- 五 第17条、第21条及び第22条に定める承認又は不承認
- 六 第58条第3項に定める承認又は不承認
- 七 第60条第4項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
- 八 第67条に定める勧告又は指示等
- 九 総会から付託された事項
- 十 災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等
管理組合の最高意思決定機関は総会になりますので、理事会では案を作成することが中心となります。
※各条文についてはこちらの管理規約を参照してください。 ⏩ 標準管理規約
では、実務上理事会で決めることをお話します。
- マンション内の掲示物の内容や張り出しの了承
- 注意文の配布の了承
- 生活に支障をきたす設備の修繕
上記が理事会で判断する内容になりますが、各々について説明します。
マンション内の掲示物や掲示物の内容、注意文の配布がなぜ理事会または理事長の権限で判断することかというと、管理組合が主体となるため、その掲示物(管理組合作成のもの)や文章は、管理組合の長である理事長ないし理事会が承諾したものに限るからです。管理会社がいるところでは、担当者が文章を作成し、作成したものを理事長ないし理事会で判断し掲示や配布の承諾をするわけです。よく管理会社の担当者が間違いを起こすのが、管理組合に向けた掲示物を理事長ないし理事会に相談することなく勝手に配布や掲示をすることです。ただの掲示物や配布分だから確認することは不要ではなく、管理組合が各組合員に向けて発信するものは管理組合のものなので必ず理事長ないし理事会に了承を得ることが必要であることは覚えておいてください。
次に、生活に関わる設備の不具合です。どのようなものかというと排水・給水ポンプ、機械式駐車場のチェーン等、テレビ視聴設備等が当てはまります。このような生活に関わる設備は計画修繕に記載がありますが、水が出ないとか車が出せないなど組合員にとっては生活上支障をきたすので早期に対応し修繕しなければいけません。そのため、臨時総会を開くといっても時間がかかってしまいますので、素早い対応が求められることから理事会の承認で進めていくことができるのです。
設備の故障は、故障の状況や時期によって管理組合の対応が分かれるところです。例えば、故障の内容が取替を要するならば、それは長期修繕計画の前倒しに当たるので臨時総会を開催しなければならないし、故障内容が軽微なものであるなら理事会の承認で修繕してしまえばよいのです。
最後に、理事会は総会に上程する議案を作成するのが中心になりますが、クレームの早期解決や緊急で設備の故障が起きた場合は速やかに対応することが望ましいので、理事会ないし理事長で判断する場合が起こるのです。